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February 22, 2023

Read Niimi Nankichi’s 手袋を買いに with Audio

Makoto+ Members, bonus content (Anki flashcard deck with all the vocabulary in the story + a printable PDF with furigana) is coming soon!

About the Author

This story is by 新美南吉(にいみなんきち) (Niimi Nankichi). Niimi Nankichi has been called the “Hans Christian Andersen of Japan.” He is best known for his marvelous children’s stories.


About Buying Mittens

This story, 「手袋(てぶくろ)()いに」 (Going to Buy Gloves) is about a fox child whose paws are cold. The fox mother has a plan for the child to buy gloves, but it involves going to the humans. And the humans are bad… or are they?

Yes, this is a children’s story, a bedtime story even, but it asks questions that make adults think. Nearly every Japanese school child has read his stories. Why can’t you too?

The Japanese text is from the public domain text depository, Aozora Bunko. The English translation is by Okubo Yu and is also found on Aozora Bunko. I did modify the English a little (just a little!) to make it closer to the Japanese.


The Title

The を sets 「手袋(てぶくろ)」 (gloves) as the direct object. The に adds intent. “To intend to buy gloves” would be a more literal translation.


How to Use this Page

Japanese and English

Read the Japanese while listening to the story. Toggle the English to check your understanding.

Please note the English isn't a word-for-word translation, but it should be close enough to check your reading comprehension.

Furigana Support

I added furigana but we will need to check the accuracy. Simply mouse over (or tap on mobile) to see the furigana. It should be close, but if you find something off (compared with the sound file), please let me know in the comments.

Anki Flashcard Deck (Member benefit)

I also created an Anki deck of the main vocabulary. This is available for no extra charge for all Makoto+ members. If you find the Japanese difficult, it would be a good idea to spend a few days or weeks with the Anki deck before tackling the story. If you are a member, please click here to download the Anki deck. If you aren't a member, please consider becoming one to not only get tons of resources for helping you learn Japanese, but to also support what we are doing with TheJapanesePage.com.


Let's Read The Story


  • Japanese With English
  • Japanese Only
  • ENGLISH

手袋(てぶくろ)()いに

新美南吉(にいみなんきち)

Note: The English isn't a literal translation, but it should be helpful when reading if necessary.

Mouseover or Tap any kanji to see furigana!


The video is read by the Japanese actor, 札内幸太(ふだうちこうた) Fudauchi Kouta (AKA Kota Fudauchi). Kota-san has starred in many movies, dramas, and TV commercials in Japan. He also does live performance plays in both Japanese and English. Please see Fudauchi Kota's blog here and subscribe to his YouTube channel here and here is his Japanese Wikipedia entry.

 (さむ)(ふゆ)北方(ほっぽう)から、(きつね)親子(おやこ)()んでいる(もり)へもやって()ました。

English

 或朝(あるあさ)洞穴(ほらあな)から子供(こども)(きつね)()ようとしましたが、「あっ」と(さけ)んで()(おさ)えながら(かあ)さん(ぎつね)のところへころげて()ました。

(かあ)ちゃん、()(なに)()さった、ぬいて頂戴(ちょうだい)(はや)(はや)く」と()いました。

English

 (かあ)さん(ぎつね)がびっくりして、あわてふためきながら、()(おさ)えている子供(こども)()(おそ)(おそ)るとりのけて()ましたが、(なに)()さってはいませんでした。(かあ)さん(ぎつね)洞穴(ほらあな)入口(いりぐち)から(そと)()(はじ)めてわけが(わか)りました。昨夜(さくや)のうちに、真白(まっしろ)(ゆき)がどっさり()ったのです。その(ゆき)(うえ)からお()さまがキラキラと(てら)していたので、(ゆき)(まぶ)しいほど反射(はんしゃ)していたのです。(ゆき)()らなかった子供(こども)(きつね)は、あまり(つよ)反射(はんしゃ)をうけたので、()(なに)()さったと(おも)ったのでした。

English

 子供(こども)(きつね)(あそ)びに()きました。真綿(まわた)のように(やわら)かい(ゆき)(うえ)()(まわ)ると、(ゆき)(こな)が、しぶきのように()()って(ちい)さい(にじ)がすっと(うつ)るのでした。

English

 すると突然(とつぜん)、うしろで、「どたどた、ざーっ」と物凄(ものすご)(おと)がして、パン()のような粉雪(こなゆき)が、ふわーっと子狐(こぎつね)におっかぶさって()ました。子狐(こぎつね)はびっくりして、(ゆき)(なか)にころがるようにして(じゅう)(メートル)()こうへ()げました。(なん)だろうと(おも)ってふり(かえ)って()ましたが(なに)もいませんでした。それは(もみ)(えだ)から(ゆき)がなだれ()ちたのでした。まだ(えだ)(えだ)(あいだ)から(しろ)絹糸(きぬいと)のように(ゆき)がこぼれていました。

English

 ()もなく洞穴(ほらあな)(かえ)って()子狐(こぎつね)は、「お(かあ)ちゃん、お手々(てて)(つめ)たい、お手々(てて)がちんちんする」と()って、()れて牡丹色(ぼたんいろ)になった両手(りょうて)(かあ)さん(ぎつね)(まえ)にさしだしました。(かあ)さん(ぎつね)は、その()に、は――っと(いき)をふっかけて、ぬくとい(かあ)さんの()でやんわり(つつ)んでやりながら、「もうすぐ(あたたか)くなるよ、(ゆき)をさわると、すぐ(あたたか)くなるもんだよ」といいましたが、かあいい(ぼう)やの()霜焼(しもやけ)ができてはかわいそうだから、(よる)になったら、(まち)まで()って、(ぼう)やのお手々(てて)にあうような毛糸(けいと)手袋(てぶくろ)()ってやろうと(おも)いました。

English

 (くら)(くら)(よる)風呂敷(ふろしき)のような(かげ)をひろげて野原(のはら)(もり)(つつ)みにやって()ましたが、(ゆき)はあまり(しろ)いので、(つつ)んでも(つつ)んでも(しろ)(うか)びあがっていました。

 親子(おやこ)銀狐(ぎんぎつね)洞穴(ほらあな)から()ました。子供(こども)(ほう)はお(かあ)さんのお(なか)(した)へはいりこんで、そこからまんまるな()をぱちぱちさせながら、あっちやこっちを()ながら(ある)いて()きました。

English

 やがて、行手(ゆくて)にぽっつりあかりが(ひと)()(はじ)めました。それを子供(こども)(きつね)()つけて、「(かあ)ちゃん、お(ほし)さまは、あんな(ひく)いところにも()ちてるのねえ」とききました。

「あれはお(ほし)さまじゃないのよ」と()って、その(とき)(かあ)さん(きつね)(あし)はすくんでしまいました。

「あれは(まち)()なんだよ」

English

 その(まち)()()(とき)(かあ)さん(きつね)は、ある時町(ときまち)へお友達(ともだち)()かけて()って、とんだめにあったことを思出(おもいだ)しました。およしなさいっていうのもきかないで、お友達(ともだち)(きつね)が、()(いえ)家鴨(あひる)(ぬす)もうとしたので、お百姓(ひゃくしょう)()つかって、さんざ()いまくられて、(いのち)からがら()げたことでした。

English

(かあ)ちゃん(なに)してんの、(はや)()こうよ」と子供(こども)(きつね)がお(なか)(した)から()うのでしたが、(かあ)さん(きつね)はどうしても(あし)がすすまないのでした。そこで、しかたがないので、(ぼう)やだけを一人(ひとり)(まち)まで()かせることになりました。

English

(ぼう)やお手々(てて)片方(かたほう)()し」とお(かあ)さん(きつね)がいいました。

その()を、(かあ)さん(きつね)はしばらく(にぎ)っている(あいだ)に、可愛(かわい)いい人間(にんげん)子供(こども)()にしてしまいました。(ぼう)やの(きつね)はその()をひろげたり(にぎ)ったり、(つね)って()たり、()いで()たりしました。

English

(なん)だか(へん)だな(かあ)ちゃん、これなあに?」と()って、(ゆき)あかりに、またその、人間(にんげん)()()えられてしまった自分(じぶん)()をしげしげと()つめました。

English

「それは人間(にんげん)()よ。いいかい(ぼう)や、(まち)()ったらね、たくさん人間(にんげん)(いえ)があるからね、まず(おもて)(まる)いシャッポの看板(かんばん)のかかっている(いえ)(さが)すんだよ。それが()つかったらね、トントンと()(たた)いて、今晩(こんばん)はって()うんだよ。そうするとね、(なか)から人間(にんげん)が、すこうし()をあけるからね、その()隙間(すきま)から、こっちの()、ほらこの人間(にんげん)()をさし()れてね、この()にちょうどいい手袋頂戴(てぶくろちょうだい)って()うんだよ、わかったね、(けっ)して、こっちのお手々(てて)()しちゃ駄目(だめ)よ」と(かあ)さん(きつね)()いきかせました。

English

「どうして?」と(ぼう)やの(きつね)はききかえしました。

English

人間(にんげん)はね、相手(あいて)(きつね)だと(わか)ると、手袋(てぶくろ)()ってくれないんだよ、それどころか、(つか)まえて(おり)(なか)()れちゃうんだよ、人間(にんげん)ってほんとに(こわ)いものなんだよ」

English

「ふーん」

(けっ)して、こっちの()()しちゃいけないよ、こっちの(ほう)、ほら人間(にんげん)()(ほう)をさしだすんだよ」と()って、(かあ)さんの(きつね)は、()って()(ふた)つの白銅貨(はくどうか)を、人間(にんげん)()(ほう)(にぎ)らせてやりました。

English


 子供(こども)(きつね)は、(まち)()()あてに、(ゆき)あかりの野原(のはら)をよちよちやって()きました。(はじ)めのうちは(ひと)つきりだった()(ふた)つになり(みっ)つになり、はては(じゅっ)にもふえました。(きつね)子供(こども)はそれを()て、()には、(ほし)(おな)じように、(あか)いのや()いのや(あお)いのがあるんだなと(おも)いました。やがて(まち)にはいりましたが(とお)りの家々(いえいえ)はもうみんな()()めてしまって、(たか)(まど)から(あたた)かそうな(ひかり)が、(みち)(ゆき)(うえ)()ちているばかりでした。

English

 けれど(おもて)看板(かんばん)(うえ)には(おお)てい(ちい)さな電燈(でんとう)がともっていましたので、(きつね)()は、それを()ながら、帽子屋(ぼうしや)(さが)して()きました。自転車(じてんしゃ)看板(かんばん)や、眼鏡(めがね)看板(かんばん)やその(ほか)いろんな看板(かんばん)が、あるものは、(あたら)しいペンキで()かれ、()るものは、(ふる)(かべ)のようにはげていましたが、(まち)(はじ)めて()()子狐(こぎつね)にはそれらのものがいったい(なに)であるか(わか)らないのでした。

English

 とうとう帽子屋(ぼうしや)がみつかりました。お(かあ)さんが道々(みちみち)よく(おし)えてくれた、(くろ)(おお)きなシルクハットの帽子(ぼうし)看板(かんばん)が、(あお)電燈(でんとう)(てら)されてかかっていました。

 子狐(こぎつね)(おし)えられた(とお)り、トントンと()(たた)きました。

今晩(こんばん)は」

English

 すると、(なか)では(なに)かことこと(おと)がしていましたがやがて、()一寸(いっすん)ほどゴロリとあいて、(ひかり)(おび)(みち)(しろ)(ゆき)(うえ)(なが)()びました。

 子狐(こぎつね)はその(ひかり)がまばゆかったので、めんくらって、まちがった(ほう)()を、――お(かあ)さまが()しちゃいけないと()ってよく()かせた(ほう)()をすきまからさしこんでしまいました。

「このお手々(てて)にちょうどいい手袋下(てぶくろくだ)さい」

English

 すると帽子屋(ぼうしや)さんは、おやおやと(おも)いました。(きつね)()です。(きつね)()手袋(てぶくろ)をくれと()うのです。これはきっと()()()いに()たんだなと(おも)いました。そこで、「(さき)にお(かね)(くだ)さい」と()いました。子狐(こぎつね)はすなおに、(にぎ)って()白銅貨(はくどうか)(ふた)帽子屋(ぼうしや)さんに(わた)しました。帽子屋(ぼうしや)さんはそれを人差指(ひとさしゆび)のさきにのっけて、カチ(あわ)せて()ると、チンチンとよい(おと)がしましたので、これは()()じゃない、ほんとのお(かね)だと(おも)いましたので、(たな)から子供用(こどもよう)毛糸(けいと)手袋(てぶくろ)をとり()して()子狐(こぎつね)()()たせてやりました。子狐(こぎつね)は、お(れい)()ってまた、もと()(みち)(かえ)(はじ)めました。

English

「お(かあ)さんは、人間(にんげん)(おそ)ろしいものだって仰有(おっしゃ)ったがちっとも(おそ)ろしくないや。だって(ぼく)()()てもどうもしなかったもの」と(おも)いました。けれど子狐(こぎつね)はいったい人間(にんげん)なんてどんなものか()たいと(おも)いました。

English

 ある(まど)(した)(とお)りかかると、人間(にんげん)(こえ)がしていました。(なん)というやさしい、(なん)という(うつく)しい、(なに)()うおっとりした(こえ)なんでしょう。

English

「ねむれ

 ねむれ(はは)(むね)に、

ねむれ

 ねむれ(はは)()に――」

English

 子狐(こぎつね)はその唄声(うたごえ)は、きっと人間(にんげん)のお(かあ)さんの(こえ)にちがいないと(おも)いました。だって、子狐(こぎつね)(ねむ)(とき)にも、やっぱり(かあ)さん(きつね)は、あんなやさしい(こえ)でゆすぶってくれるからです。

English


 するとこんどは、子供(こども)(こえ)がしました。
(かあ)ちゃん、こんな(さむ)(よる)は、(もり)子狐(こぎつね)(さむ)(さむ)いって()いてるでしょうね」

English

 すると(かあ)さんの(こえ)が、「(もり)子狐(こぎつね)もお(かあ)さん(きつね)のお(うた)をきいて、洞穴(ほらあな)(なか)(ねむ)ろうとしているでしょうね。さあ(ぼう)やも(はや)くねんねしなさい。(もり)子狐(こぎつね)(ぼう)やとどっちが(はや)くねんねするか、きっと(ぼう)やの(ほう)(はや)くねんねしますよ」

English

 それをきくと子狐(こぎつね)(きゅう)にお(かあ)さんが(こい)しくなって、お(かあ)さん(きつね)()っている(かた)()んで()きました。
 お(かあ)さん(きつね)は、心配(しんぱい)しながら、(ぼう)やの(きつね)(かえ)って()るのを、(いま)(いま)かとふるえながら()っていましたので、(ぼう)やが()ると、(あたたか)(むね)()きしめて()きたいほどよろこびました。

English

 二匹(にひき)(きつね)(もり)(ほう)(かえ)って()きました。(つき)()たので、(きつね)()なみが銀色(ぎんいろ)(ひか)り、その(あし)あとには、コバルトの(かげ)がたまりました。

English

(かあ)ちゃん、人間(にんげん)ってちっとも(こわ)かないや」
「どうして?」

English

「坊、間違(まちが)えてほんとうのお手々出(ててだ)しちゃったの。でも帽子屋(ぼうしや)さん、(つか)まえやしなかったもの。ちゃんとこんないい(だん)手袋(てぶくろ)くれたもの」と()って手袋(てぶくろ)のはまった両手(りょうて)をパンパンやって()せました。

English

  お(かあ)さん(きつね)は、「まあ!」とあきれましたが、「ほんとうに人間(にんげん)はいいものかしら。ほんとうに人間(にんげん)はいいものかしら」とつぶやきました。

English

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  • Cute! Reminds me of こだぬきポンポン – a fun 1983 song from NHK’s みんなのうた. A little Tanuki lives in a village located between あっち and こっち. Its ears are cold so it borrows mittens from a boy. 耳の霜焼け チクチク痛い. At the end of the song, the Tanuki is still waiting for the boy to return for his mittens. Here’s a link to the song:
    https://youtu.be/USqE0zIJgtE

    – Oji –

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